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根管治療

インプラントの前に検討したい『歯を残すための治療』

重度の虫歯などで抜歯診断をされた患者様でも、まだ抜歯に至る前であれば、根管治療を行うことでご自身の天然の歯を使い続けられる可能性があります。

当院をインプラント治療でご存じの方は多いと思いますが、インプラント治療はあくまでも『歯を残せない場合の最終手段の治療』だと考えております。歯の状態が悪いからといってすぐに抜歯診断は致しません。できる限り患者様ご自身の天然の歯を残して、一生涯健康的に過ごしていただくために、『歯を残すための治療』として根管治療も積極的に行っております。

他院で抜歯診断をされたけれど天然の歯を諦めたくないという方、インプラント治療の前にできれば歯を残すための治療を試して欲しいという方など、どなたでも診察いたしますのでお気軽にご来院ください。

根管治療とは?

歯の中には神経や血管などが通っている歯髄と呼ばれる組織があり、栄養や水分を歯に供給しています。この歯髄が入っている空間を根管と呼びます。

虫歯の原因となる菌が歯髄まで入ると、歯髄の中の神経細胞を刺激し、歯がズキズキと脈打つような痛みが出ます。そのまま放置していると歯の内部や骨まで溶けてしまい、自然治癒することはありません。

このように根管内に入ってしまった細菌を取り除き、再び感染しないようにする、歯を残すための治療が根管治療です。

根管治療の対象となる歯の症状

虫歯の症状は歯の表面から内側に向かって徐々に進行し、進行度に合わせてC0〜C4といった段階で表します。

健康で問題のない歯をC0とし、C1では表面のエナメル質、C2では象牙質まで虫歯が達しています。さらに症状が進行して歯髄まで虫歯が進行した状態をC3、歯の大部分が虫歯の原因菌に侵されている状態をC4と呼びます。

根管治療では、歯髄にまで菌が達している状態のC3・C4の歯の治療を行います。

虫歯の段階

根管治療の主な処置について

抜髄(ばつずい)

根管治療において最も一般的な処置が抜髄です。抜髄ではC3やC4の状態となった歯から、歯髄を除去します。

歯髄とは神経繊維と血管などから構成されている、一般的には『歯の神経』と呼ばれる組織です。虫歯の進行によって歯髄が刺激されると、歯髄炎という歯の痛みが起こります。歯髄炎になってしまうと、温かいものを口に入れると酷い痛みを感じたり、冷たいものが沁みるようになります。

抜髄によって歯髄を除去することで、歯の痛みを取り除くことができです。また細菌の感染をこれ以上拡大させずに、ご自身の天然の歯を残すことが可能になります。

感染根管治療

歯髄炎が更に進行してしまうと歯髄が壊死し、歯根の先に膿が溜まるようになります。感染根管治療とは、歯髄が感染によって壊死して膿が溜まってしまったような状態の歯が対象となる治療です。

このような状態になってしまった場合、歯髄を除去するだけでなく、壊死している歯髄とその周りの汚れている歯根の洗浄をしなければいけません。根管内部の汚れがなくなると、歯根の先に溜まった膿は自然となくなっていきます。

当院の根管治療について

丁寧に診査・診断を行います

歯の形・歯根の本数・細菌に感染しているか・感染していない歯根があるかを診断で見極め、患者様に最適な治療を提案いたします。

  • 歯や神経が感染しているかの確認
  • 「どの歯が」「いつから」「どのように」痛むかなどを問診で確認
  • 再治療を行う際、前回の治療はいつだったか
  • 痛みが出る箇所が複数の場合は、1本ずつ丁寧に歯を診断します

治療を行うたびに歯にダメージが蓄積されるので、歯の寿命を縮めてしまわないかといったところに重きをおいて診断しています。歯を一度抜いてしまうと、元に戻すことはできません。当院ではインプラントなどの治療に進む前に、まずは根管治療によってなるべく患者様の歯を残すという目標を持って治療に取り組んでいます。

ラバーダム防湿による無菌治療

ラバーダムとは薄いゴムのシートを使って、治療対象の歯だけを露出させ、それ以外の口内を隔離させる処置のことです。これにより、唾液や細菌が治療中に治療対象の歯に入り込まないようにします。

ラバーダムを使用することで治療中の歯を無菌状態に保ち、治療中に細菌に感染することを防げます。他にも薬液や器具の誤嚥を防ぐなどのメリットが挙げられます。

ラバーダムの使用には手間とコストがかかるため、使用しなくても治療そのものは可能ですが、よりよい治療の実現のために当院では根管治療の際には原則としてラバーダム防湿を行っております。

当院の根管治療の流れ

汚染された組織の除去

根管内部から歯髄を除去して清掃を行うために、歯を削って穴を開け根管口を露出させます。この際に同時にエナメル質や象牙質の虫歯も削って綺麗にします。麻酔を打って痛みを感じないように行うので、ご安心ください。
露出した根管口からリーマーやファイルなど専用の器具を根管内に挿入し、感染を起こした歯髄や膿などを残さず除去します。

根管内の洗浄・消毒

根管内を器具や薬剤を用いて、機械的・化学的にに清掃し、根管内の菌を減らしていきます。
次に、薬剤を使い、根管内の洗浄と消毒を行います。細菌が少しでも残っていると、再発のリスクを高めてしまうため、注意して処置をします。
この期間は何度か通院が必要になることがありますが、途中で治療をやめてしまったり、期間が長くあいてしまうと根管内の細菌が再び増えだし、元の状況に戻ってしまうため、しっかり通院を続けていただくことが大切です。

根管の密封

根管内が無菌状態になり歯周組織の炎症が治れば、生体に安全な歯科治療専用のシーリング剤を根管内に隙間なく充填していき、細菌が再び根管内に入らないように処置をします。

被せ物の装着

最後に根管内に芯を立てて土台を作り、その上に被せ物を装着し、噛み合わせを確認します。
噛み合わせの調整が済んだところで根管治療は完了です。

早期の発見と治療が成功の秘訣です

歯の神経が感染して炎症を起こすと、自然治癒することはありません。神経に達する前のC1やC2の虫歯であっても自然治癒することはなく、放置することで症状が進行し、根管治療が必要なC3以降に至ってしまいます。C3以降の細菌が神経にまで達してしまった状態では、原則として歯髄を取り除かなければいけません。

初期段階で何もせずに放置したままだと、その分だけ治療期間と費用がかかってしまいます。また早期の処置以上に、虫歯の原因の見直しも大切です。日頃からの口腔のケアを習慣化して、定期的に歯科医院に通うことで、虫歯や歯周病の予防に繋がります。

当院では虫歯治療や根管治療に至る患者様を少しでも少なくするために、予防歯科を併設しております。現在まだ虫歯や歯周病になっていない方でも、今後ならないためのケアをお伝えしているので、ぜひお気軽にご来院ください。

予防歯科について