小児矯正(顎顔面矯正)
症例紹介
お子様の歯や顎の成長・発育を正常に促す矯正
現代の日本人は、食生活や環境の変化が影響し、顎が小さくなる傾向にあるといわれています。
その結果、歯をきれいに並べるためのスペースが不足し、出っ歯や乱ぐい歯といった不正咬合になるリスクが高まっています。
こうした骨格的な問題は、成長期に適切な矯正治療を行うことで根本から改善できる可能性があります。大切なお子様の明るい未来のために、歯並び・噛み合わせの問題は、6歳から受けることができる顎顔面矯正(がくがんめんきょうせい)がとても良い治療方法であると考えます。
歯並びが悪くなる原因・悪習慣
お子様のこんな症状に見覚えはありませんか?
- いつもお口がポカンと開いている(口呼吸)
- 食べ物をあまり噛まずに飲み込んでいる
- いびきをかくことが多い
- 風邪をひきやすい
- アレルギー症状が出やすい
- 集中力がなく、姿勢が悪い
- 口臭が気になる
こうした症状が認められる場合は、上顎の発育不全が疑われます。
上の顎が正常に発育しないことで、歯が綺麗に並ぶためのスペースの不足や歯列の歪みをもたらします。
口呼吸について
舌は本来、口腔の天井部分である口蓋(こうがい)に接して、上顎の歯列や顎の骨の幅を広げる圧力を与えます。
口呼吸をしていると、必然的に低位舌(ていいぜつ)となり、そうした力が働かなくなります。その結果、誘発されるのが歯列弓の狭窄や上顎骨の劣成長です。
また、お口ポカンの状態だと、口腔周囲筋も弛緩することから、噛む・飲み込む・しゃべる・呼吸する機能も衰えてしまいます。
これは近年、問題視されている口腔機能発達不全症そのものといえます。その他にも口呼吸には、口腔乾燥によって虫歯・歯周病リスクが高まったり、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなったりするなどのデメリットを伴います。
成長期の子供に適した矯正治療
歯並び・噛み合わせの問題を大人になってから改善する場合は、歯の位置や傾きを細かく整えるしかありません。
土台となる骨格はもうすでに出来上がっているため、あとは並べ替えるしか治療のすべがないのです。
外科矯正という方法で、骨格をダイナミックに変えることも可能ではありますが、患者様の心身および経済面にかかる負担は、通常の矯正治療とは比較にならないほど大きいといえます。
そこで推奨されるのが垂水さだまさ歯科・矯正歯科でも行っている「顎顔面矯正」です。
成長発育期の適切なタイミングで、骨格にアプローチすることで、歯を抜かず、骨を削らず、自然な形で歯並び・噛み合わせの問題を解決できます。
矯正治療というと、どうしても「歯」だけに着目しがちですが、「骨格」という歯並び・噛み合わせの土台にも意識を向けることで、より良い治療結果が得られるようになります。
顎顔面矯正とは
【特徴1】歯だけでなく顎や顔の発育を正常化する
顎顔面矯正とは、文字通り顎や顔まで含めた広範囲の組織に働きかける矯正治療です。歯を取り巻く組織全体の発育を正常に促すことで、美しく健やかな歯並びが自然と手に入ります。
【特徴2】骨格のバランスを整える
上顎前突や下顎前突、開咬などの多くには、骨格的なアンバランスが背景に潜んでいます。成長発育期であれば適切な時期に顎整形力を加えることで、上下顎のアンバランスを解消できます。
【特徴3】口呼吸を鼻呼吸へ移行させる
顎顔面矯正を行うと、鼻腔の通気性が良くなるため、口呼吸から鼻呼吸への移行も自然に進んで行きます。その結果、舌も正常な位置へと誘導され、上顎も順調に発育します。
【特徴4】急速拡大装置の使用
急速拡大装置は、上顎の歯列に固定して、顎骨を左右に拡大する目的で使用します。上顎骨の左右のつなぎ目である正中口蓋縫合(せいちゅうこうがいほうごう)が閉じる前に行う必要があるため、治療の開始時期の見極めが重要です。
【特徴5】治療に適した年齢が限定的
顎顔面矯正を始める理想的な年齢は、6~8歳くらいです。この時期は、顎の骨の発育が活発であると同時に、乳歯が永久歯に生え変わるタイミングでもあります。上顎の劣成長が原因で反対咬合になっている場合は、治療の開始時期に十分な注意が必要といえます。
【特徴6】いびきや喘息の改善にもつながる
顎顔面矯正によって上顎の発育が促されると、鼻腔や気道が広がり、いびきや喘息の症状が改善される場合があります。
反対咬合に要注意
乳歯から永久歯に生え変わる過程で、反対咬合が自然に治る確率は6.4%程度という研究報告があります。上顎の発育は、10歳前後で95%完了してしまうため、それ以前の段階で積極的な矯正治療が必要となるのです。
反対咬合には、発音障害・そしゃく障害・消化不良・顎関節に過剰な負担がかかるなど、さまざまなデメリットを伴うことから、適切な時期に治療することが勧められます。